春にはイエロー、秋になったらカーキといったように、春夏・秋冬のシーズンごとに登場する色。
ファッションには必ず「今年流行の色」という発表があります。
2015年7月の現在発表されているのは、2015年の秋冬の流行色です。
でもこの流行色、いつ誰がどうやって決めているかご存知ですか?
じつは流行色は2年も前から国際レベルで検討されているんです!
流行色は自然に口コミで発生しているわけではありません。
国際的な機関から予測という形で発表されて、それを参考にしながらファッションの各業界が方向性を決めていくものです。
その予測を最も早くするのがインターカラー(国際流行色委員会)です。
2015年秋冬の流行色を例に2年前から遡ってみましょう。
- は1963年に発足した、国際間で流行色を選定する唯一の機関です。
加盟国 はイギリス ・イタリア ・ドイツ・フランス・日本など15カ国
(2015年1月現在)
本部はパリにあります。
年2回6月に春夏カラー、12月に秋冬カラーが選定・発表されています。
このとき選ばれる色は1.2色ではなく、30色前後あります。
インターカラーの発表を受けて
・海外市場ではヨーロッパを中心に糸や服地の素材展が次々と開催されます。
代表的なのはパリの「プルミエール・ヴィジョン」服地
・日本では
日本流行色協会(JAFCA)が流行色の方向性を発表します。
・国内の合繊・紡績メーカーが日本の市場を意識して、ファッショントレンドを発表します。
・各メーカーは選ばれてきた流行色の中でも、人気になりそうな色を絞り込んで修正微調整します。
・業界誌、業界新聞などで発表されます。
繊研新聞
世界各地でコレクションやアパレル展示会が開かれます。
オートクチュール・コレクション
オートクチュール・コレクションはパリで1月(春夏)と7月(秋冬)に開催されます。
パリオートクチュール組合に属する正式メンバーの他、いくつかの招待メンバーにしか発表を許されていない
伝統と格式のあるコレクションです。
オートクチュールは、アトリエでオーダーメードで作られるイメージですね。
プレタポルテ・コレクション
プレタポルテ・コレクションは2月〜4月まで(秋冬)と9月〜12月まで(春夏)の間に
ニューヨーク→ロンドン→ミラノ→パリ→東京の順番で開催されます。
いわゆる「パリ・コレ」といったらパリで行われるプレタポルテ・コレクションのことを指します。
メンズコレクション
1月中旬から下旬にかけて(秋冬)と6月下旬から7月上旬にかけて(春夏)、ミラノ→パリの順番でメンズ・コレクションが行われます。
このように各シーズンでローテーションを繰り返しているのです。
2015年-2016年秋冬でいうと
1、2015年の1月中旬から下旬に、ミラノ、パリの順でメンズ・コレクション
2、2015年2月〜4月まで、NY、ロンドン、ミラノ、パリ、東京の順にプレタポルテコレクション
3、2015年7月にパリで、オートクチュールコレクション
以上のように開催されています。
ファッション雑誌や一般誌で発表されます
ファッション雑誌やマスコミによって消費者に流行色の情報が作品になって伝わります。
一般向け雑誌も季節の流行色を取り上げたりします。
流行色を取り入れた商品が店頭に並びはじめるのは、7月のセールが終わったころです。
2013年の12月にインターカラーで予測された流行色が、いまやっと店頭に並ぼうとしているのです!
流行色はすでにそれ自体が大きな産業となっています。
既製服が店頭に並ぶまでの間に、服地の原材料・糸の作成から始まり
ファッションコレクションの開催、商品の買い付けなど多くの過程があるために
2年という時間が必要なんですね。
ここまで書いたものを表にまとめました。
マスメディアが発信する流行色情報は、好奇心旺盛な若者に取り入れられジワジワと広がっていきます。
大多数の人が着ていると同調する傾向がありますよね。
しかし必ずしも予測通りに流行するわけではありません。
自然災害・テロ事件・大事件など、人間は心理状態で選ぶ色が変化するからです。
90年代前半にオレンジが流行色となったときがありました。
欧米では注目されたのですが、日本ではまったく流行しませんでした。
それはちょうど日本がバブル崩壊直後で不安が続き、元気なオレンジは受け入れられなかったのです。
パーソナルカラーを知ってから、流行色をおいかけることはなくなりました。
それでも、小物・ストール・メイクなどに取り入れると新鮮です。
40代からはスパイス程度で十分ではないかと考えています。
梅雨も明けていないですが、これを読んだあなたは秋冬のトレンドカラーが気になりませんか?
雑誌やサイトで秋冬の流行色をチェックしてみてくださいね。