「服を買うなら捨てなさい」の著書、地曳いく子さんの新刊『着かた、生きかた』を読みました。
パーソナルカラー診断・骨格診断で、似合う色と似合うアイテムを提案する私が、この本で共感した部分を紹介したいと思います。
著者の地曳いく子さんは、キャリア30年超のスタイリスト。
前作『服を買うなら、捨てなさい』では
- 服をたくさん持っているから幸せになるのではない。
- 自分が本当に好きなスタイルを見つけていくために、イマイチな服は処分して少数精鋭主義でいく。
- 本当に必要な服とどうでもいい服の見極めかた
について書かれ、40万部を超えるベストセラーとなりました。
有名スタイリストのスタイリングブックとは一線をひく、1人の50代女性として書かれた内容がとても新鮮で何度も読んでいます。
同じようにベストセラーとなった『フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質”を高める秘訣~』と、地曳さんの著書はミニマムなワードローブの流行に影響を与えたのではないでしょうか。
地曳さんの新刊「着かた、生きかた」では似合うという言葉がなんどもでてきます。
でも地曳さんが似合うのために、パーソナルカラー診断や骨格診断をすすめているわけではありません。
この本で一貫して書かれているポイントは「自分らしさ」。私が特に共感した部分は以下の3つです。
着かたと生きかたはつながっている
”私が思うに、着ることに迷ったり、苦手だったりする人は、人生でも、ついよそ見をしたり、脇道にそれてしまったりして、自分がわからなくなってしまっているのではないでしょうか”
P.11より
おしゃれのために洋服を選ぶことと、自分の人生を生きることがつながっている。そう感じている人はどれくらいいるでしょう。
私はサロンに診断に来ていただいたお客様から、日々感じています。とくにパーソナルカラー診断にカラーセラピーを組み合わせたメニューにしてから、「内面と外見はつながっている」という思いは強くなりました。
無意識に選んだカラーセラピーからお客様に教えてもらったのは、自分の内面の不安はファッションにも投影されるということです。
「何を着たらいいのかわからない」また、「何が似合うのかわからない」という診断を受ける理由の裏には不安があります。
このさき年齢を重ねていく見えない自分への不安と、残りの人生をどう生きていくのか考えはじめ模索している気持ちを抱えていることが伝わってきます。
「自分をもっと愛したい」「自分を変えたい」「ずっときれいでいたい」、その気持ちと洋服を選ぶことを切り離して考えられません。
もちろん私も。
似合うものから好きなものを選ぶのが合理的
”「似合う服」というのは自分の長所をきれいに見せてくれて、逆に欠点を目立たせない服のことです。
その中から好きな服を選ぶのです”P.100
お客様に、似合わないものを見なくなると買い物が早くなり効率的ですよと伝えてきました。
地曳さんは、合理的という言葉で表現していますね。
似合う服は変わりませんが、好きな服は変わっていきます。
似合う服から好きなものを選んでいけば、たとえ好きなものが変わっても「似合う」は変わらないままです。
この逆で、好きな服の中から似合うものを選ぶと、好きなものが変わるたびに「似合う」が変わってしまいますよね?
若いうちはそれもパワーでなんとかできたのですが、40代後半になると洋服を選ぶ時間は短いほうがいい。
だから私も、似合う洋服の中から好きな服を選ぶことに大賛成です。
参考 私がパーソナルカラーをおすすめする理由。好きな色・苦手な色に隠された心理とは。
人とは違うを受け入れたところからすべてが始まる
”人はひとりひとり違っているもの
人と自分は違うのが当たり前「なんで私はこれが似合わないんだろう」「なんで私はここがこうじゃないんだろう?」となんでなんでを繰り返していると、自分のことが嫌いになってしまいます”
P.120
日本人は、なるべく周りと同じようにしていたいと思う傾向がありますよね。みんなが持っているからという理由で同じバッグを買っていたりします。
自分と誰かを比べて羨ましがったり、落ちこんだり、悩む時間はゼロにできないかもしれません。でもその違いを価値があると思えたなら、残りの人生は数倍しあわせになれますよ。
違いはあなたのチャームポイントなんです。
身長170㎝のモデルのように着ることはできないけれど、私が153㎝だから見せられる可愛さは、かけがえのないものなのです(笑)
かけがえのない存在になるためには、常に人と違っていなければいけない
ココ・シャネル
40代以上の大人の女性が着られる洋服の選択肢はとても多くなりました。いい時代になりましたね。
残りの人生は、自分に似合うものにシフトチェンジして、自分らしさを大切にしていきませんか?
”そろそろ自分の物差しを持たないと「ヤバい」頃合いかもしれません”
P.25
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